2019年3月29日金曜日

本気の彼らの隣に

「勉学と両立しながら、本気でサッカーに打ち込めるラストチャンス」

 それが、阪大サッカー部のキャッチコピーでもあります。就職したり、大学院に進学した先輩たちを見ている限り、ここが最後の機会というのは本当なのだろうな、と思っています。

 ならば、マネージャーは?



 新歓にかかわるブログということは、マネージャーが気になっている色々な人がこの文章を読むのだと思います。その中にはマネージャーをやったことがある人から今までサッカーに全く興味がなかった人までいると思うので、とりあえず自分の場合について書いておきます。なぜマネージャーを志したのか、さらにはなぜ、サークルではなく部活を選んだのか。

 答えは簡単。私は、サッカーが好きだからです。

 本気とか、ラストチャンスとか。選手を駆り立てる言葉に私も惹かれて、サッカー部に入ることを決めました。自分でサッカーができないからマネージャーを。最初の意識はそんなものだったと思います。マネージャーの仕事がどんなものかもよく知らないまま、本気でピッチを駆ける彼らを傍で支える役目を担いました。

 練習中に選手が飲む水の準備や補給、タイムキープ、ボール拾いに選手のテーピング。試合になればここにスコアの記録やメンバー表の作成、公式戦ならば試合運営の仕事も加わります。果てはTwitterやマネージャーブログを通した広報活動まで。まだ書ききれていないこともいくつかありますが、これがマネージャーの仕事です。羅列するととんでもなく大変なように見えます。確かに入りたての頃はやることも多く、1つの仕事を終わらせるのに必死で余裕がなかったような気がするけれど、じきに慣れて周りを見渡せるようになってきます。サッカーではよく視野が広いとか狭いとか言うけれど、おそらく同じような感じです。より視界が開けるほど気づけることも多くなって、行動の選択肢も増えます。そんな小さなステップアップを繰り返していくと、いつの間にか先輩になっていて、できることも増えています。簡単な道ではありません。でも、私は楽しかった。

 こんな風に書くと、サッカーが好きじゃないとマネージャーは務まらないんじゃないか、マネージャーになるには相当の素質や経験がいるのでは、なんて思う人も出てくるかもしれません。

 そんなことは決してない、3年間マネージャーをやって私なりに出した結論です。

 現在在籍するマネージャーは5人。私も含めたほとんどが、大学からマネージャーを始めています。入部するまでサッカーを見たこともなかった子もいます。楽しそうな皆と部活の雰囲気に惹かれて入部したという彼女らは、きっと私よりも立派なマネージャーになるのだと思います。

 もちろん、サッカーを好きでいてよかったなと思うことも多いです。走り回る部員をカメラのファインダー越しに追いかけるのはとても楽しいし、ボールを蹴る彼らを眺めていれば退屈しません。サッカーの話題で盛り上がれることだってあります。



 私達マネージャーが、選手のように試合に出ることはありません。けれど彼らがボールを追いかけているとき、私達も選手のために動いています。同じチームの仲間として共に戦っています。

 これを読んでくださった新入生に、お願いしたいことがあります。試合を見に来てください。今年阪大が戦う関西学生サッカーリーグ2部Aというカテゴリーには、部員数が阪大の4倍近くだったり、サッカーで学生を集めたりしているような強豪大学が在籍しています。そんな相手を前にして、本気のサッカーで食らいつく選手たちの姿を見ていただきたいのです。

 今シーズンは、悔しい試合も多くあるかもしれません。決して強豪ではない私達だけど、自分たちのサッカーを見つめて全力で走る彼らは最高に輝いているし、支える役目を担えたことを誇りに思えます。



 ぜひ、グラウンドでお会いしましょう。

大阪大学体育会サッカー部
  マネージャー   石塚朱莉

0 件のコメント:

コメントを投稿